飛蚊症は、実際に蚊はいないのに目の前に蚊が飛んでいるように見える症状です。とくに明るい場所で白いものや空を見た場合によく見え、その際の視界には蚊のようなものが見えたり、人によっては糸くずや黒い影、あるいは他の虫のようなものがちらついて見えることもあります。その見える数(1個から複数)や色(透明なものから黒いものなど)というのも人により異なり、目を動かすとこれらも一緒に動いて見えます。
原因としては、硝子体が何かのきっかけで「濁り」が生じてしまい、その濁りの陰が網膜に映ることで、そのようなものが見えるようになると言われています。
多くの場合、生理的なものですので、そのまま放っておいても問題のない症状です。ただ、網膜剥離の初期症状や糖尿病網膜症の症状として現れることもあります。そのため、飛蚊症の症状がどうしても気になるという方は、当クリニックまでお気軽にご相談ください。
検査では、散瞳薬を点眼して瞳孔を広げ、網膜の状態を観察する眼底検査を行うほか、視界の範囲を調べる視野検査などを行います。検査により、網膜剥離や硝子体出血などの病気が見つかった場合は、それらの治療が必要になります。